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マリーと魔法使いヨハン51話

051 僕たちは、これからキャメロットに向かう

 

kakuhaji.hateblo.jp

 第1話はこちらから読めます ↑

 

 

「――――マリー?」

 しばらく夜空を眺めながら一人、物思いにふけっていたヨハンは――――そう呟くと、急に立ち上がった。

 まるで体の中を一陣の風が駆け抜けたような、そんな感覚に見舞われたヨハンは――――勢いよく操船室に向かって行く。そして操船室の扉を開くなり、ヨハンは大きな声を上げた。

「進路を変えてくれ――――僕たちは、これから“キャメロット”に向かう」

 突然、操船室に現れたヨハンの言葉を聞き、皆驚いて瞳を丸くしました。

「“キャメロット”って――――いったい、どういうことだ? やっこさんは“グラール”に向かってるんじゃねぇのか?」

 トールは大声で尋ねました。

「悪いけど、今は詳しく説明している暇はない。とにかく、進路を“キャメロット“に向けてくれ」

「了解」

 ニーズホッグのメンバーは、ヨハンからの突然の指示に慌てながらも素直に従い、直ぐに進路を修正し始めた。

“グラール帝国”が“ローランド王国”の真東に位置するのなら――――“キャメロット”はそれよりも更に北東に位置する。“キャメロット”までの距離は、グラールに比べればおよそ半分も無かった。

 ニーズホッグのメンバーは大急ぎで進路の修正をした後、全員机の上に開いた地図を眺めながら、この先の展開を話し合った。

「この“クライスト”の船足だったら、四日後の明け方までには“キャメロット”に着く――――で、そろそろ説明しろや?」

 トールはヨハンに尋ねた。

「――――ああ、マリーの声が聞こえたんだ」

「はぁ?」

 ヨハンの思わぬ答えに、トールだけでなくニーズホッグのメンバー全員も、目を皿のように丸くしていた。

「お前、本気で言ってるのか?」

 唖然としているトールの言葉に、ヨハンは心外だと言わんばかりの表情を浮かべた。

「当たり前だろう――――本気じゃなかったら、こんなこと言う訳ないさ」

「でも、これで姉さんが“キャメロット”に向かってなかったら」

 ホズは心配そうにヨハンに言う。

「心配ない、僕がマリーの声を聞き間違えるわけはない――――“キャメロット”だ」

 ヨハンの真に迫った表情に圧倒され、ニーズホッグのメンバーはそれ以上何も言わず、船の操縦に戻って行った。
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こちらの物語は、『小説家になろう』に投稿していたものをブログに掲載し直したものです。『小説家になろう』では最終回まで投稿しているので、気になったかたはそちらでもお読みいただけると嬉しいです。

 

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