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青い春をかける少女~8話

青い春をかける少女(完結済み) 小説

08 なんて高い月なの

 

kakuhaji.hateblo.jp

 第一話はこちらから ↑

 

 なぜ私は生まれたの?

 なぜ私は生きているの?

 私は何を手に入れたの?

 私は何を与えるの?

 

 

 私は携帯電話に差したイヤホンから流れる、エラの“Why Was I Born”に耳を傾けていた。

 

 夏緒さんに言われた言葉を繰り返し繰り返し考えていた。

 私は“夜間飛行”を逃避の場所にしているのだろうか? 

私は受験勉強が嫌で、その現実から目を背けるために“夜間飛行”に通っているのだろうか?

 

 考えても考えても分からなかった。

 

 だけど、夏緒さんにそう言われてショックだった。

 正直かなり傷ついた。

 あの時は、あれ以上気まずい雰囲気になるのが嫌で、早くあの話を終わりにしたくて無理やり分かったようなことを言っちゃったけど、私はぜんぜんわかってなかった。

 

 そもそも、私は何も分かっていない。

 ほんと、私のことを教えてほしいよ。

 

 エラの綺麗な高い声が聞こえる。

 

〝なぜ、なぜ〝と何度も歌い続けている。

 

 私も〝なぜ、なぜ〟と自問した。

 答えは返ってこない。

 

 坂の下の駅前まで夏緒さんに送ってもらった私は、一人で帰路をたどっていた。

 途中で気が滅入ってきた私は、携帯電話のタッチパネル画面を操作して曲を変えた。同じくエラの“How High The Moon”に曲を変えて、その跳ねるような明るい雰囲気に身をひたした。

 

 曲の初めの歌詞は、こんな感じ。



 どこかで音楽が流れているわ

 なんて微かな調べなの

 どこかに天国があるのかな

 まぁ、なんて空高い月



 この歌詞を聴くたびに、私は初めて“夜間飛行”にたどりついたあの日のことを思い出してしまう。

 

 夜空にはちょうど高い月がのぼっていた。

 私はその月に手を伸ばした。

 届くはずもないのに、私は月に手を伸ばさずにはいられなかった。



 けっこう重症って感じだった。

 

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kakuyomu.jp

 

 

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